本社に併設されたショールーム
社員やお客さんへの想いを込めてつくった方針手帳
日繊商工株式会社
代表取締役社長 俣野太一
弊社は、私の祖父が戦時中必需品であったメリヤスやオシメカバーを販売する会社としてスタートし、1949年頃から現在のタオルの企画・販売・卸を専門とするようになりました。
私は大学卒業後父の会社に就職し、20代は営業などを経験。朝早くから夜遅くまで仕事に没頭する日々を過ごしました。
専務に就任した33歳。2003年から2008年までの間に贈答品マーケットが急速に縮小し、会社の売上も従業員の数も半分になるという大変な苦境の中、事業承継が近づいていたこともあり、どうすれば生き残っていけるのか、父と何度もぶつかりました。父を越える経営者になりたい。もっと会社を大きくしたい。でも今の自分では会社を引っ張っていくことはできない。当時の私の人間観は、自社や自分にとってメリットがあるかないかでした。
そんなとき、経営者仲間に盛和塾を紹介していただき、2009年、39歳で入塾しました。
稲盛和夫塾長の「自分の心のありようで自社の経営は決定づけられる」「強烈な願望、強い意志を持ちなさい」と教えていただき、自身の悩みに対する答えを外に求めていたことに気づき、自分と向き合うきっかけをつくっていただきました。
また、塾生の方々が、同じ経営者ということ以外、肩書きもキャリアも事業規模も関係ない、裸の自分と向き合い叱咤激励してくれたことが本当に嬉しかったです。その姿に私自身も逃げずに自分と向き合うことができました。
そして、私たちの行いは未来や社会と繋がっていることに思い至りました。会社のために、お客さまのために自分に何ができるのか。「100年後の地球は大丈夫か?みんなが『足るを知る』ということにならなければ、自国の利益をめぐって争いがずっと続くことになる」と稲盛塾長は懸念されていました。タオルの原料である綿花の価格は今後も上昇することは間違いありません。自社さえよければいいというエゴの経営から、大切な社員やお客さまがともに幸せになる事業構造にしていきたいという思いが生まれ、「タオル製品卸売業」から「相互に絆を育む機会創出業」へ高めていきたいと思うようになりました。
人の一生に寄り添うタオル。人が生まれて初めて包まれるものが私たちのタオルです。子どもたちの成長に寄り添うタオルにはたくさんの思い出と感謝が生まれます。そんな温もりを感じられる商品を生み出すことで、時間や空間を越えたタオルの新しい価値観が生まれ、弊社の商品がいつまでも感動を生み出せることを願っています。
経営者としてどうあるべきかを探究し続け、答えを見つけ出す場所が大和(だいわ)だと思います。経営課題を持ち、悩んでおられる経営者の方は、是非、門を叩いてほしいと思います。